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日本には潜在的に「転職希望者」は何千万人いるのか?──見えない市場に気づいた企業が勝つ

  • 執筆者の写真: 迪宇 坂本
    迪宇 坂本
  • 5月6日
  • 読了時間: 4分
転職

1. 「転職したいけど、できない」──その裏にある巨大な沈黙の市場


いま、日本の労働市場において、「転職したい」と考える人の数は過去最大級に達しています。


総務省の労働力調査によれば、2023年の時点で「転職希望者数」は1,000万人を超えました。


しかし、実際に転職をしたのはそのうちの約300万人──つまり、7割にあたる約700万人は「転職したいが、していない」のです。


そして、2024年にはこの傾向がより鮮明になっています。


総務省のデータによると、2024年の転職希望者数はわずかに減少しながらも、依然として1,000万人規模を維持しており、転職実施者は331万人に達しました。


つまり、約670万人が動けないままなのです。


この700万人前後の層こそが、日本企業が本気で向き合うべきサイレントマーケットです。


彼らは、「現職に満足している」わけではありません。 むしろ、「もっと自分を活かせる場所があるのでは」と考えています。


それでも動かない──なぜか?

その答えは、「失敗が怖い」からです。


・今の職場より悪くなったらどうしよう

・転職回数が増えると評価が下がるのでは?

・職場の人間関係を一から築くのが不安


こうした心理的なバリアが、彼らの“最初の一歩”を妨げているのです。



2. なぜ日本では「転職」が難しいのか?──根深い文化と“同調圧力”


日本では長年、終身雇用・年功序列が主流でした。 その影響で、「転職=逃げ」や「裏切り」と捉えられる文化が根強く残っています。

転職すること自体に対して、家族や周囲から「大丈夫?」「次はあるの?」と不安の声をかけられる──これがプレッシャーとなり、多くの人が転職に踏み出せないままです。

一方で、労働市場の現実は大きく変化しています。

・企業の平均寿命は30年を切り ・AI・DXによる職種の再編が加速し ・一つの会社にしがみつくことがリスクとなる時代に入りました

2024年の正社員転職率は過去最高水準の7.2%を記録し、特に40~50代の転職が増加しています。これは日本社会全体において、“転職”という行動が広がりつつあることを示しています。

にもかかわらず、「変わる勇気」を持てない人が多い──だからこそ、この市場は“見えない巨大市場”として存在し続けています。



3. マーケティングの視点で見た転職市場という巨大な需要創出機会


ここで、マーケティング戦略の本質的な問いに立ち返りましょう。


『まだ買っていない人に、どうすれば買ってもらえるのか?』


この問いを人材市場に置き換えるなら、こうなります。


『まだ動いていない人材に、どうすれば動いてもらえるのか?』


マーケティングの目的とは、潜在ニーズを「顕在化」させ、行動を起こさせることです。


つまり、700万人の潜在的転職希望者の心を動かすには、商品(=企業・職場)の魅力の設計と伝達の仕方が決定的に重要になります。


求職者にとって、企業は「ブランド」です。

彼らは、自分の将来を託すに値するブランドかどうかを見極めています。


・どんな価値を提供しているのか?

・どんな人が働いているのか?

・自分がそこに入ったら、どうなれるのか?


このような疑問に答えられない企業は、比較検討の土俵にすら上がれません。


だからこそ、企業は「採用マーケティング」という考え方を導入し、 候補者の購入(応募)を迷っている心理を読み解く必要があるのです。


『ブランドに対する期待値と現実のギャップ』


ここをいかに埋められるかが、採用マーケティング成功のカギです。



4. 潜在層を“行動”へと導く採用コミュニケーションとは?


マーケティングの本質とは、「意思決定の支援」です。


700万人に及ぶ潜在的転職希望者が動けないのは、「判断材料が足りない」からです。彼らに必要なのは、ただの求人票ではなく──「ここでなら、納得して働ける」と思えるストーリーです。


求職者は、給与や待遇ではなく、「その企業でどんな未来を描けるか?」を知りたがっています。


この期待に応える手段こそが、「採用広報」や「ダイレクトリクルーティング(例:dodaダイレクト)」です。



5. dodaダイレクト × マイナビ転職──二刀流の採用戦略


採用市場が「売り手市場」である今、企業が採用戦略として取るべき道は「待ち」ではなく「攻め」です。


マイナビ転職で認知を広げ、 dodaダイレクトで行動を喚起する──


この二刀流こそが、いま最も合理的な人材獲得戦略です。


dodaダイレクトでは、能動的にスカウトメールを送ることで「行動に移していない」潜在層へ直接アプローチが可能になります。これはまさに、潜在ニーズを引き出し、動機形成を起こすマーケティング型採用です。

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