2025年 マイナビ転職 の掲載状況と採用市場のフェーズ分析― 若手人材をどう掴むか。中小企業が勝つための5フェーズ戦略 ―
- 迪宇 坂本

- 10月25日
- 読了時間: 4分

Phase 1:認識 ― マイナビ転職 44,736件が示す若手採用の再加速
2025年10月24日時点、マイナビ転職の掲載総数は44,736件、掲載企業21,481社(弊社調査)。前年同月比でも増加傾向にあり、特に営業・建築・技能工・管理事務・ITエンジニアの求人が全体の7割を占めています。
新規掲載もわずか1日で2,339件にのぼり、求人市場は完全に「再加速フェーズ」へ。これは単なる景気回復ではなく、「年内採用決着を狙う動き」が一気に強まっている証拠です。
実際、求職者の検索動向でも「転職 12月」「内定 早めたい」といったキーワードが前年比で増加中。市場全体が早期決断型にシフトしています。
Phase 2:混乱 ― 情報飽和と媒体選定の迷走
採用担当者の多くは今、「どの媒体を使うべきか?」で迷っています。
マイナビ転職、doda、リクナビNEXT、indeed、求人ボックス、LINEキャリア
──あまりに選択肢が多く、どれも同じに見える。
しかし、マイナビ転職の真の強みは「20代〜30代前半の若手即戦力に最も強い母集団」にあります。
会員数は約852万人、スカウト登録者516万人(公式発表)。その約7割が3か月以内に転職したいと回答しており、短期決着・スピード内定に最適な層です。
dodaが幅広い層の指名買いに強いのに対し、マイナビは若手を量的に確保するという点で圧倒的。
つまり、中小企業が「育成を前提に採る」なら、マイナビ転職こそが主戦場です。
Phase 3:設計 ― 職種別・勝ち筋マップを描く
マイナビ転職で成果が出ている企業は、量を狙うのではなく、狙いを定義している。
特に効果が出ている職種設計の共通点は以下の3パターンです。
1️⃣ 営業・販売・サービス職
→ 広告主戦。検索キーワード一致+勤務地表示で流入最大化。 → タイトルの1行目に“働き方”と“学び”を両立させる(例:「未経験から3か月で商談デビュー」)。
2️⃣ 建設・技能工・製造職
→ 写真勝負。作業風景や社員表情が「安心感」を与える。 → タイトルに資格・夜勤有無・勤務地を含めると検索一致率が高い。
3️⃣ 事務・管理・ITエンジニア職
→ 応募者は「仕事内容のリアル」を求めている。 → 1日の流れ・使用ツール・チーム体制など“可視化情報”を上位に置く。
マイナビは文章ではなく構造で勝つ媒体。
つまり、「求職者が1スクロールで自分の未来を想像できる設計」が成果を決める動きになっています。
Phase 4:実行 ― 速さと温度が、採用を決める
マイナビ転職のデータでは、応募〜一次面接までが3営業日以内の企業は、それ以降の企業より内定承諾率が1.6倍高いという結果が出ています。
応募者の心理はシンプルです。「早い企業=自分を必要としてくれている」と感じる。
だからこそ、速さと温度が採用を決めます。
・一次面接はWeb30分以内
・当日または翌営業日に評価連絡
・内定通知は5営業日以内
このスピード設計こそ、「マイナビ転職の母集団」と噛み合う最適なテンポです。
スカウト返信率を高めたいなら、返信後3時間以内のレスポンスを徹底する。
これだけで返信率は平均の2倍近く跳ね上がります。
Phase 5:検証 ― データで語れる採用へ
採用は感覚ではなく、数字で語る時代です。応募数だけではなく、応募→面接→内定→定着の各フェーズで指標を可視化しましょう。
こうした数値が採用の再現性を生みます。そして再現性のある採用は、採用コストを最小化し、離職を減らす。
まとめ:あなたの会社は、どのフェーズにいるか?
認識フェーズ:採用市場の再加速を理解する
混乱フェーズ:媒体を正しく選ぶ
設計フェーズ:職種別に勝ち筋を描く
実行フェーズ:速さと温度で差をつける
検証フェーズ:データで再現性をつくる
採用は「タイミングの戦略」です。
動かない企業が落ちるのではありません。
動きが遅い企業が置いていかれるだけとも言えます。
今こそ、マイナビ転職の母集団を設計的に使いこなす時期ではないでしょうか。





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