レコチョクに学ぶ採用成功術|doda ダイレクトで「直接のコミュニケーション」を活かす方法
- 迪宇 坂本
- 8月1日
- 読了時間: 8分

音楽配信サービスのパイオニアとして、常にエンターテインメント業界をリードしてきた株式会社レコチョク。
しかし、その輝かしいブランドイメージの裏側で、同社は中途採用、特に優秀なエンジニアを確保するという課題に直面していました。
多くの人々にとって身近な存在である「レコチョク」という社名やサービスは知られているものの、その具体的な業務内容や、技術的な魅力、そして企業文化が十分に伝わっていないというジレンマです。
この課題を克服するため、レコチョクが選択したのが、ダイレクト・ソーシングサービス「doda ダイレクト」でした。
単なる求人広告の掲載に留まらず、企業が求める人材に直接アプローチできるこのサービスを最大限に活用し、同社は「直接のコミュニケーション」の力が、いかに採用活動のあり方を変えるかを証明しました。本稿では、レコチョクのこの成功事例を深掘りし、その戦略、成果、そして今後の展望について、多角的な視点から詳細に解説します。
採用課題の深層:ブランド認知度と業務実態のギャップ
レコチョクは、社名やサービス名が広く認知されているがゆえに、採用活動において特有の課題を抱えていました。それは、一般の認識と実際の業務内容との間に大きなギャップがあったことです。
エンジニア採用における誤解: 「レコチョク=音楽配信」というイメージが先行し、「一体どのようなシステム開発を行っているのか」「どんな最先端の技術を使っているのか」といった、エンジニアが最も関心を寄せるであろう技術的な深みが伝わりにくかった。結果として、レコチョクが本当に求める「変革を楽しめるエンジニア」との出会いの機会を逃していました。
伝えきれない企業の魅力: 従来の求人サイトでは、限られたスペースに情報を詰め込む必要があり、企業が持つ独自の開発文化、チームの雰囲気、仕事のやりがいといった「深み」の部分を伝えることは困難でした。
こうした背景から、レコチョクは従来の採用手法を見直し、もっと深く、直接的に候補者と関わることのできる新しいアプローチを模索し始めました。それが、doda ダイレクトとの出会いでした。これは、単に採用手法を変えるだけでなく、採用活動そのものを、企業と候補者が互いの可能性を探り合う対話の場に変えるという、根本的なパラダイムシフトでもありました。
doda ダイレクト導入後の新戦略:パーソナライズされたコミュニケーションの徹底
doda ダイレクトを導入したレコチョクが、まず最初に取り組んだのは「手間を惜しまない」という姿勢の徹底です。この戦略の核心は、一人ひとりの候補者と真摯に向き合うという信念にありました。
徹底したプロフィール読み込み 採用担当者は、候補者の職務経歴書やスキルシートを隅々まで読み込み、その人物が持つスキルや経験だけでなく、キャリアの志向性や関心事まで深く理解するよう努めました。これは、単に「スキルがマッチしているか」を見るのではなく、「この人がレコチョクでどんな貢献ができるか、どんな風に輝けるか」を具体的に想像するプロセスでした。
個別最適化されたスカウトメッセージ 読み込んだ情報をもとに、採用担当者は候補者一人ひとりに合わせたスカウトメッセージを作成しました。このメッセージには、「あなたのJavaのスキルは、当社のモバイルアプリ開発チームで、特にUI/UX改善のプロジェクトで活かせる可能性があります」といったように、具体的なポジションや役割を明記しました。これにより、候補者は「なぜ自分に声がかかったのか」を明確に理解でき、自身のキャリアパスとレコチョクでの可能性を具体的に重ね合わせることができました。これは、画一的なスカウトメールでは決して生み出せない、強い関心と信頼感を醸成する効果がありました。
全社的な採用協力体制の構築 この取り組みは、人事部門だけで完結するものではありませんでした。レコチョクでは、各技術部門と人事が密に連携する体制を構築。「この技術にはどんな人材が必要か」「こういうスキルを持った人が入社したら、こんなプロジェクトにアサインしたい」といった具体的なニーズを共有しました。さらに、「doda ダイレクト経由で入社した人が、こんな活躍をしている」という成功事例を社内で共有することで、全社的にダイレクト・ソーシングへの理解と協力を深めていきました。この「採用活動の見える化」は、社員自身のエンゲージメント向上にもつながるという、予期せぬ副次的な効果も生み出しました。
このような「手間を惜しまない」姿勢と「パーソナライズされたコミュニケーション」が、レコチョクの採用活動を劇的に変えていきました。これは、単にツールを導入するだけでなく、そのツールを最大限に活かすための組織文化と体制の変革が伴っていたからこその成果と言えるでしょう。
得られた「採用」以上の価値:企業文化の醸成と意識変革
doda ダイレクトの導入は、単に採用数の増加という成果に留まりませんでした。レコチョクにとって、それは企業文化そのものに良い影響を与える機会となりました。
リアルな市場の声の把握 ダイレクト・ソーシングでは、転職潜在層を含む幅広い候補者と接点を持つことができます。これにより、レコチョクに興味を持つ人々が、同社のことをどのように見ているのか、どんなイメージを持っているのか、といった「リアルな市場の声」を直接聞くことが可能になりました。これは、自社の強みと弱みを客観的に把握し、採用ブランドを再構築する上で非常に貴重なデータとなりました。
社内へのフィードバックと意識変革 採用担当者が候補者から得たフィードバックは、社内全体に共有されました。例えば、「レコチョクは知っていたが、こんな最先端の技術を使っているとは知らなかった」「こんなに自由な開発体制だとは意外だった」といった声は、社員自身が自社の魅力を再認識するきっかけとなりました。この気づきは、各部門が採用活動にさらに積極的に関わる動機付けとなり、「どうすればもっと会社の魅力を伝えられるか」という建設的な議論を生み出しました。
スキルだけでなく「マインド」も重視する採用へ レコチョクが今求めているのは、単に技術的に優れた人材だけではありません。多くの企業と協業し、新たな音楽体験を生み出す「変革期」にある同社では、「変化を楽しみ、自ら課題解決に取り組める」といったマインドを持つ人材を特に重視しています。doda ダイレクトは、こうしたスキルだけでは測れない「志向性」の部分まで踏み込んで採用活動を行う上で、強力なツールとなりました。これにより、入社後のミスマッチを大幅に減らし、高い定着率とパフォーマンスを実現しています。
成功の要因と今後の展望
株式会社レコチョクの成功事例から、中途採用における新たなスタンダードが見えてきます。
成功の要因
採用担当者の徹底したコミットメント: 候補者一人ひとりに向き合う姿勢が、信頼関係を築き、応募への意欲を高めました。
人事と現場の密な連携: 現場のニーズを正確に把握し、それをスカウトメッセージに反映させることで、精度の高いアプローチを実現しました。
ツールを最大限に活かす戦略: ダイレクト・ソーシングというツールを単なる情報発信源としてではなく、企業と候補者が対話する「プラットフォーム」として活用しました。
今後の展望: レコチョクは、ダイレクト・ソーシングを通じて得た「市場の声」を、今後の採用戦略だけでなく、事業戦略や企業ブランディングにも活かしていくことでしょう。候補者との対話から得られる生の声は、新しいサービス開発や改善のヒントにもなり得ます。採用活動はもはや、単に人材を確保するだけの機能ではなく、企業の成長を支える重要な経営戦略の一つとなっているのです。
まとめ:採用成功の鍵は「人と人とのつながり」
株式会社レコチョクの事例は、採用に悩む多くの企業にとって、そのヒントとなるでしょう。 重要なのは、採用活動を「情報を掲載する」という受動的なものから、「直接対話」を通じて、互いの可能性を深く探り合うという能動的なものへと変えることです。
「直接のコミュニケーション」は、求人情報だけでは伝わらない企業のリアルな魅力や、仕事のやりがいを伝える上で最も強力な手段です。そして、これは単に採用を成功させるだけでなく、企業としてのブランド力を高め、社員のエンゲージメントを向上させるという、採用活動を超えた価値を生み出します。
レコチョクの事例は、テクノロジーやサービスだけでなく、「人」という最も重要な資源に焦点を当てた採用活動こそが、持続的な成長を可能にすることを雄弁に物語っています。
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