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社長向け解説 令和7年7月の求人動向をどう読むか

  • 執筆者の写真: 迪宇 坂本
    迪宇 坂本
  • 9月3日
  • 読了時間: 2分
令和7年7月の求人動向をどう読むか

1. 表面的な安定に騙されるな

有効求人倍率は 1.22倍で横ばい。数字だけ見れば「安定」ですが、これは錯覚です。教育・情報通信は伸び、宿泊・飲食は大幅減。この構造変化こそが本質です。つまり、「業界によって勝敗がハッキリ分かれてきている」ということ。


2. 求人難は「全体問題」から「業界固有問題」へ

かつては“どこも人が採れない”という共通課題でした。しかし今は違う。成長産業は人を引き寄せ、衰退産業は人が離れていく。人材市場が「選別モード」に入っているのです。


3. 中小企業が取るべき視点

  • 自社が属する業界は伸びているのか?沈んでいるのか?

  • 求人広告や採用手法を、業界トレンドに合わせて再設計しているか?

  • 単なる募集ではなく、“選ばれる理由”を打ち出せているか?


これを誤ると、求人にお金を投じても結果はゼロに近づく。逆に、この変化を先に読んで動く企業だけが、少ない人材を確保できます。


4. 戦略的アクション

  • 労働力が流入している業種の打ち手を参考にせよ。教育や情報通信業界は“働きたい理由”を提供できている。

  • 採用は広報ではなく経営戦略。「採れる会社」か「採れない会社」かで、10年後の存続率は真逆になります。

  • 求人倍率の数字は“業界の健康診断”。体温計を読むだけではダメ。診断の結果から“治療方針”を決めなければなりません。

1.月別の数値は季節調整値である。なお、令和6年12月以前の数値は、令和7年1月分公表時に新季節指数により改定されている。

2.文中の正社員有効求人倍率は正社員の月間有効求人数をパートタイムを除く常用の月間有効求職者数で除して算出しているが、パートタイムを除く常用の月間有効求職者には派遣労働者や契約社員を希望する者も含まれるため、厳密な意味での正社員有効求人倍率より低い値となる。

3.文中の産業分類は、令和5年7月改定の「日本標準産業分類」に基づくもの。

4.ハローワークインターネットサービスの機能拡充に伴い、令和3年9月以降の数値には、ハローワークに来所せず、オンライン上で求職登録した求職者数や、求職者がハローワークインターネットサービスの求人に直接応募した就職件数等が含まれている。

🔑 結論


7月の数字は「横ばい」ですが、実態は“業界ごとの差”がより鮮明になった月でした。社長はこのデータを単なるニュースとして受け止めるのではなく、自社の採用戦略を再設計するためのシグナルとして使う必要があります。

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